この記事の注目ポイント
Chris Loyの「The rise of industrial software」は、AIコーディングの普及でソフトウェア開発が“職人芸”から“産業化”に寄り、disposable software(使い捨てソフト)が増える…という論考だよ。
さらに「効率化すると作る量も増える(Jevons paradox)」が起きやすく、最後に残る難題は作ることじゃなく保守と責任(stewardship)だ、というのが主張。
ここからは、日本の現場(フロントエンド/PM/デザイナー混在チーム)向けに、何が起きてて、どう備えると得かを3分で解説するよ。
結論は「AIで作るのが速くなるほど、壊れにくい運用のガードレールが価値になる」って話。
深掘り解説
まず「industrial software」って何?
ざっくり言うと、AIでコード生成が当たり前になると、ソフトウェアが大量生産・低コストに寄って、これまで“丁寧に作って育てる”前提だった開発が変わるよね、という視点。
この記事のキモは3つ。
- 産業化の一次効果:作るコストが下がり、作れる量が増える
- 二次効果:作れる量が増えると「作る対象」そのものが増える(=“使い捨て”が成立しやすい)
- 最後に残る問題:誰がそれを維持し、責任を持つのか(stewardship)
ここで出てくるのがdisposable software(使い捨てソフト)。
要は「長期保守・深い理解」を前提にしない、“その場の目的だけ満たせばOK”なソフトが増える、という話だね。
これ、デザイン×開発の現場だとめちゃくちゃ刺さる。
たとえば、PMが「検証用に動く画面ほしい」→AIでモック生成→そのまま社内運用に乗る…みたいな流れ、もう珍しくない。
便利なんだけど、ここで責任の空白が生まれると事故る(誰も直せない/誰も知らない/依存が危ない)。
そしてもう1つの視点がJevons paradox。
専門用語メモ:Jevons paradoxは「効率が上がると、結果的に利用量が増える」ってやつ。
AIで開発が楽になるほど、作るアプリや機能が増えて、結果として運用コスト(保守/脆弱性対応/依存管理)も増えがちなんだ。
じゃあ、現場はどうする?
ポイントは「使い捨てを否定する」じゃなくて、使い捨てでも事故らない形に寄せること。おすすめのガードレールはこの3つ。
- SBOMを出す(依存関係の棚卸し)
専門用語メモ:SBOM(Software Bill of Materials)は「このソフトが何でできてるか」の部品表。後から直す人の命綱。 - Dependabotで脆弱性修正を自動化(“保守ゼロ”を避ける)
- 所有者(Owner)を決める(stewardshipを設計する)
例:社内ツールでも「誰が止める/直す/捨てる」を明確にしておく。
特にフロントエンド(React/Vue)だと依存が増えやすいから、SBOM+自動アップデートは効くよ。
“作れる”が当たり前になるほど、こういう後工程の安全装置がチームの生産性を守るんだ。
まとめ
AIコーディングでソフトウェアは産業化する。これは止まらない流れ。
だから勝ち筋は「速く作る」だけじゃなく、速く作っても破綻しない運用を持つことだよ。
まずは小さく、社内ツールや検証プロトからでOK。
SBOMを出す、自動アップデートを入れる、Ownerを決める。
この3点セットがあるだけで、“使い捨て”っぽい開発でも安心感が段違いになる。
参考リンク
- The
rise of industrial software - Hacker
News discussion: The rise of industrial software - Jevons
paradox(概要) - SPDX(SBOM標準)
- GitHub
Docs: Dependabot security updates - anchore/sbom-action(GitHub
Actions)
※内容の正確性には万全を期していますが、最新の仕様や公式情報については、必ず上記の参考リンク先をご確認ください。


